これは、贈与[*]を受けた時に贈与税の申告・納付をする「暦年課税」とは別の納税方法として2002年の税法改正により認められたもので、平成27年以降の贈与については、法改正によりこれまでより制度を利用できる場合が拡充されています。2003年1月1日以降の贈与で、以下の要件を満たす場合には、この方法を選択することが出来ます(相続税法21条の9)。
※以上の年齢は、贈与があった年の1月1日時点において判断します。
贈与税の申告のときと同じく、贈与[*]を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、住所地の税務署長に対して、贈与税申告書とともに「相続時精算課税選択届出書」を提出します。
贈与を受けた時にまずは贈与財産に対する贈与税を申告・納付し(ただし、相続時精算課税を利用すれば、特別控除額2500万円以内の生前贈与については、贈与税を支払う必要はありません。2500万円を超える部分の贈与税額は、一律20%の税率を乗じて算出されます)、その後、贈与者が死亡した時に、当該贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めている上記贈与税相当額を控除することにより、贈与税と相続税を合わせた納税をすることになります。ただし、相続時精算課税適用財産と相続財産の合算額が相続税の基礎控除額以下であれば、相続税の納付義務は発生しません。
相続時精算課税は、受贈者にとって非常に有利な場合もありますが、「相続時精算課税選択届出書」に記載された贈与者からの贈与に関しては、その贈与者が亡くなるまで相続時精算課税制度の選択の撤回はできません。このように、相続税法にはその利用に関して複雑な内容が規定されていますので、まずは一度税理士に相談されることをお勧めします。
相続の贈与を受けた人は、次の場合に、財産の贈与をした人ごとに相続時精算課税を選択することができます。